衣川晃弘大先生の見聞会講話集「21世紀を幸せに生きる」第12巻より
2020年(令和2年)8月8日 ベストグループ中国・四国一日研修 ②
父は失敗を繰り返して夜逃げばかりをしていても、「志を忘れたらいかんぞ。大きくなったら、社会や人のお役に立つような志を持ちなさい」という教えをしてくれたのです。母はその横で「そんな偉い人間にならんでもええんやで。ただ、社会や人に迷惑だけはかけんようにな」と、父とは正反対のことを言うのです。
だから、私は「社会や人のお役に立ちながら、社会や人に迷惑をかけないような生き方をしよう」と、小さいながらに考えたのです。その結果、私は四十九年間経営をさせていただいていますが、一つも会社を潰したことはありません。
これも全部、見えない存在のお陰様と、父と育ての母の教えのお陰です。つまり、素晴らしい人間になったら仕事も上手くいくということでしょう。
また、父は「運が悪かったら立派な人間にはなれないんや。人間には『運・鈍・根』が与えられているんや」と教えてくれました。だから私は、二十七歳で独立した時に、最初に掲げた言葉は「運・鈍・根」だったのです。
まず、「運」とは運命という意味です。人間は「運」がなければ、何をやっても駄目なのです。運命とは、命が運ぶから「運命」と言うのです。命の存在を認めた方は、もの凄く崇高な存在が運を運んで下さるのです。
「鈍」とは、ばか正直に生きることです。「根」とは、コツコツと努力することです。運気とは、心が運ぶから「運気」と言うのです。人間は心次第です。ですから、心がプラスの時は少し良いことが起こり、心がマイナスの時は悪いことが起こりやすいのです。
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